権利関係 第1章 制限行為能力者

目次

ではここから私の宅建の勉強が始まるのだ。
記念すべき1日目だ。

使うのは日建学院のどこでも学ぶ宅建士 基本テキスト2020である。

1章ごとにこのブログに簡単にまとめながら勉強していくというスタイルにしようかな。

制限行為能力者とは

基本的な判断能力が欠如している者、劣っている者の財産を守るために制定さている概念。
判断能力に難ありと4つに分けてみなし、それぞれに保護者をつけ、制約を設けるもの。

意思能力

自分の意思や行為によって、連動してすべきことについて、正常な判断があることを意思能力を有するという。
例えば、「お店で物を買ったらお金を払わなければならない」。これは現代日本では常識であるが、中にはこの常識が通じない人もいる。

これを「自身の行為を遂行する能力が無い、あるいは制限されている」という意味で「制限行為能力者」という。
行為能力が制限されているというように覚えればよいだろう。

ポイント
意思表示をしたときに意思能力を有しなかった時は、その法律行為は無効とする。無効なので、取り消す必要もなく最初から無かったものとして扱われる。

制限行為能力者制度

意思能力があるのかないのか、後から証明するのは結構大変。なので、あらかじめ「この人は意思能力が欠如してるよ」と認定するのが、この制限行為能力者制度である。

この制限行為能力者は4つに分類できる。

未成年者

文字通り、20歳未満の人間。ただし1度でも婚姻暦のあるものは除外する。保護者は親権者、未成年後見人である。

未成年者が保護者の同意を得ずに単独で契約した場合、本人や保護者はそれを取り消すことができる。ただし、

1・もらい物など単に得するだけのもの
2・親から使っていいとわたされた小遣いの使用。
3・親から業を営んでいいと許可された営業。
については未成年者でも単独ででき、取り消すことができない。

そして、未成年者が一度婚姻したら成年とみなされる。離婚しても成年のままである。

成年被後見人

重度の認知症という認識でOK。家庭裁判所から認定を受ける。保護者は成年後見人という。
判断能力が著しく欠けるので、単独で契約をすることはできず、成年後見人が代理となって契約する必要がある。
ただ日用生活品などの日々の暮らしにおけるものは単独で購入することが可能。いちいちスーパーの買い物を成年後見人の同意を得てたら、疲れ果てちゃうよね。
さらに、成年被後見人が、事前に保護者の同意を得て契約した場合でも、事後に取り消すことができる。この辺が複雑。

被保佐人

中度の認知症という認識。家庭裁判所から認定を受ける。保護者は保佐人という。
中度なので、単独で契約類(スポーツジムの入会などだろう)を行うことができるが、不動産売買などの一定の重要な契約は事前に保護者の同意を得ることが必要。
同意を得ない不動産売買は契約の取り消しをすることができる。

被補助人

軽度の認知症という認識。家庭裁判所から認定を受ける。保護者は補助人という。
これも非保佐人と同様に、保護者の同意を得ずとも単独の契約が可能だ。ただ、非保佐人ほどではなくとも重要な契約については被保佐人同様に保護者の同意を得る必要がある。
同意が無ければ、事後で取り消すことが可能なのは、被保佐人と同様。

補佐ではなく保佐。この保佐というのは生まれて初めて見る単語なので調べてみた。

保佐(ほさ)とは、精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者について、その判断力の不足を補うこと。 成年後見制度の一つで、家庭裁判所の保佐開始の審判により、保佐の事務を行う者として保佐人を付すとの審判を受けたものを被保佐人とよぶ。 民法は、以下で条数のみ記載する。
引用:保佐 – Wikipedia

なるほど・・・精神障害者に対して、判断力を補うこと自体が、「保佐」というのか。ふむふむ。

制限行為能力者の保護者の権限

保護者については

・未成年—>親権者、未成年後見人
・成年被後見人—>成年後見人
・被保佐人—>保佐人
・被補助人—>補助人

であった。
これらの保護者には
1・同意権
2・取消権
3・追認権
4・代理権
の4つの権利が認められている。

A・未成年について。幼いだけで正常な判断はできる。同意権・取消権・追認権・代理権、全て保護者は有する。
B・成年被後見人について。同意権はなく、代理権のみ。何か契約したいと思っても事前に同意を得て単独で契約を結ぶことは無理。
C・被補佐人について。同意権、取消権、追認権を有する。代理権は代理人になってよいと家庭裁判所の認定があった場合のみ。
D・被補助人について。全ての権利が家庭裁判所の判断で一つずつ判断される。

制限行為能力者の詐術

詐術・・・ようはウソである。
例えば、20歳以上が必須の法行為で、自分自身が未成年であったとしても「二十歳こえてます」と詐称した場合、事後でもあっても取り消すことはできない。

たとえ、制限行為能力者であっても、法律はウソを許さない。と覚えておけばよいだろう。

制限行為能力者の取り消しと第三者

未成年者Aが、自分の土地をBに売却した場合、Aやその保護者は取り消しができる。
が、もうちょっと込み入った場合。
例えば、Bが、事情を知らないCにその土地を転売した場合は、Aの土地は戻ってくるのか?

これについては「事情を知らない善意の第三者についても取り消しを主張できる」となっている。
要は、Cに対して土地を返せと要求することが可能。

じゃあCは金は払って土地を得られず、踏んだりけったりか?というとそうではなく、Bに損害賠償を要求することができるというわけだ。

感想・まとめ

制限行為能力者は4種類。未成年者、成年被後見人、被保佐人、非補助人。
保護者の有する権利も4つ。同意権、取消権、追認権、代理権。

ふぅ。初日からいろいろと出てきた。これが後どれだけ続くんだろうか・・・。