権利関係 第2章 意思表示

2020年8月7日

目次

さて、前回から間が空いてしまったが、2日目。

使うのは日建学院のどこでも学ぶ宅建士 基本テキスト2020である。

今日は「意思表示」について。

騙されたり、天然ボケで勘違いで契約しちゃったり、売買しちゃったりした人を救済について。
救済できるケースとできないケースがあるようだ。

民法のスタンス

騙されたならば、騙す方が悪いに決まってる。が、騙された方も、多少は悪いよね。
脅されたならば、脅す方は絶対に悪い。脅された人はかわいそう。なるべく救済する。

というのは詐欺と脅迫の一貫した民法のスタンスと覚えておけばよいだろうか?

意思表示とは

売りたい人の「売ります」という意思表示、買いたい人の「買います」という意思表示が合致すれば、売買契約となる。

ただ、売る意思がないのに、勘違いで売りますといっちゃったり、、騙されたり、脅迫されたりで「売ります」という意思表示を完全に有効としたら、売主には厳しい。
そこで、本意でない意思表示をした人を救済するルールが決められている。

取り消しをすると、契約の最初に遡って無効となる。

詐欺・強迫

ちなみに、「きょうはく」というと一般的には脅迫だが、民法的には「強迫」を使うようだ。

詐欺

騙された行った契約は取り消すことができる。
騙された売り渡されたものを返却することで支払ったお金を全額請求することができるのだ。

詐欺の場合の第三者のと関係

で、ここから本題。
AはBに騙されて、土地を売ったが、その騙したBが既に善意のCに転売してしまった場合はどうなるのだろう。

先ほどの例だと、騙された場合は取り戻すことができると書いたが・・・。何も事情を知らずに土地をGETしたCの立場は・・・?

誰が一番悪いのか?以下の通り。

A・・・騙されたので、やや悪い。
B・・・騙したので悪い。悪人。
C・・・騙してもないし、騙されてもない。善

ということで、悪い順に「B>A>C」となる。
一番保護されるべきはC。

なので、AはBと契約を取り消すことができて、既にCの手に渡った土地までは返還を求めることはできない。ということだ。

ただし、ABの間で詐欺があったことを知ってて、Cが買った場合はCもグルとみなされ、AはCに対して、対抗することができる。

強迫

強迫によって締結した契約は、詐欺同様、取り消して最初から無効にすることができる。
詐欺と違うのは、善意の第三者にも対抗(返還を求める)することができるのだ。

それだけ、強迫は罪だよ。ということ。暴力団が昨今どんどん肩身が狭くなっているのをみるとこの背景も理解できるだろう。

第三者による詐欺・強迫

さて、今度は登場人物が4人。

  • A・・・詐欺・脅迫されて家をBに売っちゃった。
  • B・・・Aから家を購入し、Dへ転売。
  • C・・・Aを詐欺、または強迫した悪い人。
  • D・・・Bから家を購入した人。(元はAの家)

ではCの詐欺の場合。

Cの詐欺行為があったことを、Bが知っててDに転売した場合は、AはBに対して取り消せる。が、Dが善意ならば家は取り戻せない。
Cの詐欺行為があったことを、B、Dが知っててDに転売した場合は、AはBに対して取り消せし、家もDから取り戻せる。

そして、強迫の場合。
Cの強迫行為があった場合、BやDの善意・悪意に関わらず、家を取り戻すことができる。

やはり強迫はそれほど罪なのだ。

この強迫は問答無用でNGなのは、バブル期の地上げが横行してたからこうなったのだろうか。その辺までは知らないし書いてはない。

錯誤

錯誤。また難しい漢字が登場。
「錯誤=うっかりはちべえ」と覚えよう。つまりうっかりなのだ。天然ボケなのだ。

人間はだれでも 勘違いするものである。
だが、勘違いすべてを取り消しできてしまったら、世の中は混乱してしまう。

詐欺と強迫の例を思い出して欲しい。

・強迫は絶対悪
・詐欺は騙す方が悪いが、騙される方も悪い。

ってことだから、「錯誤=うっかり」だから・・・詐欺よりも、「うっかりする方が悪い」という認識でOKだろう。

錯誤により取り消しはちょっとハードルが高いよって話。

錯誤による取り消しができるケース

1・意思表示に対応する意思を欠く錯誤
2・表意者が法律行為の基礎とした事情(動機)について、その認識が真実に反する錯誤(ただし、動機が法律行為の基礎とされていることが表示されている場合に限ります)

ふむふむ。
理解できる!!
そんなわけあるか!!!!

何を言っているかわからない。

1についてテキストによると、「Aが、空き家になっているぼろぼろの建物をBに売ろうと思ったが、勘違いで現在住んでる、綺麗な建物を売ると言ってしまった場合。これは取り消すことができる」

ふむ。なるほど。ボロボロの建物を売ろうという「意思」だったのに、綺麗な建物を売るよという「意思表示」ということか。これは意思表示と意思が対応してないということだろう。

善意無過失による第三者への錯誤

これはなんとなく予感がつく。
救済優先度としては「被脅迫者 > 被詐欺者 > 錯誤者」なんだから、善意無過失の第三者には錯誤による取り消しを主張することができないということだ。

うんうん、私も「被」の使い方が巧くなってきたかな?w

虚偽表示

自己破産予定のAが差し押さえを逃れるために、友人Bと共謀して、「ちょっと、お前に売ったことに書面上しておいてよ、でほとぼり冷めたら、おれに戻してくれよ」って感じで登記を移転し、本来の意思ではない契約をするのを虚偽表示という。これについては、両方とも第三者、外界を騙そうとしてるんだから、常に無効である。

ただし、Bが裏切ってCに転売した場合、善意のCには何も過失もないので、Cの利益を最優先にするので、本来AB間の契約は無効であるが、有効とみなして、そのままCへの売却も有効となる。
当然AはCに対して返還を求めることはできない。
ただし、CがBと結託、すなわちCが悪意者であれば、AはAB間の取引が無効であったと対抗することができる。

まぁ、とにかく、善意の第三者ってのが民法では最強のようだ。

心裡留保

また聞いたこともないような言葉だが、(しんりりゅうほ)という。
「錯誤=うっかり」だったが、「心裡留保=じょーだん」である。

心裡留保は原則有効とのこと。
これは一番厳しい扱いか?
冗談・うそで言った場合は救いませんよ。口は災いの元ですよ。って感じだろうか。

ただし、相手が明らかに冗談と知っている場合や、相手に落ち度がある場合は保護する必要はないので、心裡留保は無効とできる。

では、第三者に対する心裡留保はどうなのか?

ここまでやっていれば解るとおもうが、一番救わないのが心裡留保なのだから、救うわけがない。善意の第三者に対しては対抗できない。ということだ。

公序良俗違反

公序良俗違反の法律行為とは、殺人、強盗、超高利貸し、など到底日常では考えられない、アウトレイジ的な出来事の対価、報酬の場合。
これらは社会通念上、許されるものではないので常に無効となる。そしてこれは善意の第三者に対しても主張できるのだ。

まとめ

救済優先度として、高い順に、
「強迫(むりやり) > 詐欺(だまされ) > 錯誤(うっかり) > 心裡留保(じょーだん)」である。

とにかく、善意の第三者が最強である。
ただし、善意の第三者に対抗できるのが、強迫である。